DOCTOR WHO OFFICIAL 50TH CELEBRATION in LONDON part 3
22 - 24/NOV/2013
SFX SHOW
ステージ上のダーレクの爆破で始まったこのパネル・セッション。「DOCTOR WHO CONFIDENTIAL」などでお馴染みのダニー・グラヴィスによるSFXショーです。
進行役として(たしか)BBCの方が一緒に出演していましたが、なんでもこの司会者は以前「ギャリフレイからきたダーレク」と発言してしまったことがあるそうで、
「だからドクター・ファンが怖いんだ!僕もあれから勉強したんだよ!お願いだから優しくして!」
と、引きつった笑顔で訴えてました。どんだけ怖い目にあったんだよ(苦笑)会場に集まったファンは優しく笑ってましたけどね。
このパネル・セッションでも、もちろん盛り上がったのは日曜日。50thスペシャルでのSFXネタ解禁ですからっ!しかも、こちらのセッションでも日曜日にはダニーの家族が勢揃いで観に来ていました。
ターディスが起こす風を実演したり、撮影で使う炎をステージで再現したり、雪を降らせたり、雨を・・・・雨は降りませんでしたけどね(苦笑)(だって、司会者が「雨はこうやって降らすんだよぉ」なんてベタな振りで、観客をちょっとビビらせたので。)しかも金曜日は雪も上手く降らず、本番じゃないから笑ってごまかしましたけどね。
炎の時には「実はこれでデヴィッド・テナントの前髪を少しだけ焦がしちゃったことがあってね」なんて苦笑い。「だってあんな前髪してるんだから」なんて言い訳に、場内爆笑でした。
50thスペシャルでのSFXチームの見せ場は、当然ギャリフレイでの戦闘シーンですが、子供達がいる中で爆薬や炎を使用したので、非常に神経を使ったそうです。普段のエピソードでも、スタントマンではなくマットたち俳優が直接絡むアクション・シーンは、とても気を遣うと話していました。でも意外な事に、一番難しい撮影はガラスに飛び込むシーン!
「マットがクレイグの家でガラスに飛び込むシーンがあるだろ?(『CLOSING TIME』のことですね)実際に飛び込むのは彼専属のスタントマンだし、ガラスも当然本物ではないけど、スタントマンが飛び込む瞬間にガラスを爆破させるタイミングが本当に難しいんだ。ちょっとでも遅ければガラスにぶつかるし、早ければマヌケなシーンになっちゃうからね。」
こんな話しを聞くと、「ドクター・フー」を違う目線でまた楽しめちゃいそうです。
このパネル・セッションでは観客をステージに上げて、サイバーマンを爆破させる実演をやりましたが、日曜日にステージに上がってきたサイバーマンはなぜかすっごく不機嫌で、ダニー達を威嚇したり、歩き方もいつも以上にドンドンと荒っぽい(笑)しかもダニーが起爆装置の仕掛けを「後ろのこのあたりに隠しておくんだ」と、サイバーマンの腰のあたりに手を突っ込もうとすると、すごい剣幕(?)で怒るサイバーマン。「ああ、ごめんごめん」「パンツを脱がされると思ったんじゃないの?」「俺、サイバーマンのパンツを脱がそうとした初めての人間なのかな?」なんて司会者とヒソヒソ話をして観客を笑わせていました。あれっ?サイバーマンに感情があると自爆しちゃうんじゃないの?(苦笑)
怒りっぽいサイバーマンなんて爆破しちゃえ!
そしてファンからの質問も、話題が「ドクター・フー」に留まりません。
「SFXの仕事には何か資格がいるんですか?」
との質問に、「この仕事をしたいの?」とダニーが聞くと、「ん・・・そうでもないです」なんて答える質問者に場内爆笑。
ダニーはこの仕事をするために、大学で舞台芸術などの勉強をしたそうで、資格はないけど、年に1度ライセンスを更新するためのテストがあるんだってさ。
そして小さな子供が「これまでに爆破した一番大きなものは?」と聞くと、ダニーは「『トーチウッド』で倉庫丸ごとを爆破した時かな」と答えていましたが、すかさず司会者が、「君はまだ『トーチウッド』を観てはダメだよ」と釘を刺して、皆大笑いでした。
そういえば「The Eleventh Hour」のパネル・セッションで、ゲストだった50thスペシャルの監督ニック・フランが話していましたが、
「このスペシャルで、スティーブン(モファット)が『とにかくダーレクを大勢出してくれ!』と言うから、制作側に『どれぐらい作れる?』と聞くと『6台』と言われちゃったんだよね。」
なんて苦労話で場内を笑わせていましたが(実際、あのシーンはハデな割にダーレクは数える程しか出てこないんだよね(苦笑))
「とにかく低予算なんだけど、それでも『スタートレック』とかハリウッドに負けないようなドラマになるように頑張ってるよ」
と話していました。その低予算ドラマを、ダニーたち裏方の知恵と技術が支えているんですね。そんなコトを感じさせるパネル・セッションでした、
REGENERATIONS
5thドクターのピーター・デイヴィソン、6thドクターのコリン・ベイカー、7thドクターのシルベスター・マッコイの3人のクラッシック・ドクター達によるパネル・セッションです。(土曜日にはここに4thのトム・ベイカーが参加したそうですが。)
さすがにこのセッションは金曜日も日曜日も盛り上がりは同じ(笑)公園のベンチで言い合いをするおじいちゃん達を見ているみたいな呑気なパネル・セッションでした(ファンの方、ごめんなさい。)毒舌なコリンじいさん、彼にすぐイジられるシルベスターじいさん、その2人の言い合いを苦笑して見ているちょっと若いピーターじいさん、なんて感じ?
左からピーター、シルベスター、コリン。上のパネルと比べても面影が残ってるでしょ?
なにしろ日曜日では、先にステージに登場したコリンじいさんがソファーに寝そべって占領してしまい、後から出てきたシルベスターじいさんの困まり顔を見てニヤニヤしてました。
そしてトークでも、「ドクターは若い俳優が良いか、年配が良いか」というテーマに、「絶対年配だ!」と答えるシルベスター。 「ドクターは体力じゃない!頭を使うんだ。だから年配の方がいい」と主張するシルベスターに、「頭を使わない君が言うとはね」なんてツッコミを入れるコリン。困ったじいさんだこと(苦笑)(ちなみにマット・スミスが発表になった時も、シルベスターは「若過ぎる!」と不満だったそうです。「今はOKだと思っているけどね」とフォローしてましたけど。)
でもそんな彼等も、こうしてドクターが50周年を迎えたことは、素直に嬉しいそうです。ドクターのTV放送が復活してから、コリンなんて娘たちに「お父さんが本当にドクターだったの!?本当にドクターやっていたの!?」なんて言われてしまったとか(笑)なので、3人とも「復活してくれたラッセル・T・デイヴィスに感謝してる!」と語っていました。
昔の映像を観ながらのトークでは時代を感じるものもあり、シルベスターの頃はまだIRA(アイルランド解放戦線)が暗躍していたので、駅で爆発シーンを撮影していると、本当の爆発と間違えて消防車や警察が集まってしまったとか。でも煙の中からダーレク達が出てきて、皆ポカーンとしてた、なんてエピソードで会場を笑わせていました。
ファンからの質問では、質問者にわざわざ子供達を選んだので、この小さなドクター・ファンたちがクラシックのドクターたちにどんな質問をするのかな?なんて期待していると、
「ピーターに質問です。自分の娘がドクターと結婚するのはどんな気分ですか?」
おいおいっ(苦笑)芸能レポーター並の質問に場内大爆笑。ピーターも大笑いしてました。
ご存知の方も多いと思いますが、「The Doctor's Daughter」でジェニーを演じたジョージア・モフェットは、ピーター・デイヴィソンの実娘で、そして今ではデヴィッド・テナントの奥さんなのです。つまり彼女は、お父さんとダンナがドクターなんですね(笑)
「彼はとってもイイ奴だから満足してるよ。ただし結婚式のスピーチの時は混乱しちゃったけどね。」
と、笑って答えていました。
そして「最も怖いモンスターは何ですか?」との質問に、コリンがWeeping Angelと答えていたのが意外でした。でも、ドクター復活の話題の時も、
「『The Empty Child』が放送された次の日、小学校に行くと子供達が皆で『Are you my mummy?』と遊んでいたんだ!こんなことはもう何年も見ることがなかった。嬉しかったよ!」
と、興奮気味に話すコリンを見て、おっ?この人、意外と今のドクターを真剣に観ている?なんて思ったのですが、実は50thスペシャル放送後のBBCでの特別番組「DOCTOR WHO LIVE : AFTER PARTY」でも、「最も好きなドクター」の質問にコリンは「ピーター・カパルディ」と答えたり、ターディス型スペシャル・ケーキに入刀する時も「ジェロニモ!」と掛け声をしていて、なんだよ、ただのイジワルじいさんじゃないな?(笑)なんて、ちょっと好感を持ってしまったのです。
こんな感じのパネル・セッション。個性的なドクターと同様に3者3様なおじいさん達のトークを聴いていると、ちょっと彼等のドクターも観てみようかな、なんて気分にさせてくれた1時間でした。
これは会場内のBBCショップを訪れた時の3人。小さなソファーにギュウギュウ。
ちなみに「AFTER PARTY」の放送後には、BBCの裏デジタル・チャンネルで公開されたドラマ「The 5(ish) Doctors Reboot」は、ピーター・ディヴィソン脚本&監督で、この3人がなんとか50thスペシャルに出演できないかとすったもんだする楽屋落ちコメディで、モファット、ジョン・バロウマン、8thドクターのポール・マクガン、ラッセル・T・デイヴィス、ピーターの娘から娘婿(はい、デヴィッド・テナントですよ)まで巻き込み、あげくに映画「ホビット」の撮影現場まで乱入した、恐ろしいほど豪華な裏ドラマなんです。50thに出してもらえない人々の恨みが詰まった自虐的なネタなのに、現在のドクターの撮影スタッフたちも勢揃いして、むしろ「ドクター・フー」への愛情をヒシヒシと感じられるとても楽しいドラマなのです。マットとジェナも笑えるチョイ役で登場してますので、機会があればぜひぜひご覧ください!
この裏ドラマを観てからは、50thスペシャルでのThe Undergaralleyのシーンを観ると、こちらのドラマを思い出してついついクスクス笑ってしまうのです。
金曜日のパネル・セッション後にこんなプラカードを掲げたのでちょっとビックリしましたが、実は上のドラマのPRだったんですね。でも半分本気かも?(笑)