DOCTOR WHO CONVENTION at MILLENNIUM CENTRE CARDIFF part 3
24&25/MARCH/2012

CREATORS & DIRECTORS

続いて始まったパネル・セッションは、脚本家や監督、特殊効果のスタッフたちによる1時間のトーク。ここでは「ドクター・フー」の制作サイドのいろんなエピソードが聞けました。

このトークでテーマとして選ばれたのは「The Girl Who Waited」(第6シリーズ)です。時間の流れの違う空間に入り込んでしまったエイミー。ドクターとローリーはすぐに彼女を助けに向かったが、見つけた時にはすでにエイミーにとっては40年近い月日が経っていた・・・という、「ドクター・フー」の中で最も美しくて、最も残酷なエピソードです。エイミーの最後のシーンを見せられただけでも(涙)

ステージにはこのエピソードの脚本を書いたトム・マクラエ、プロデューサーのマーカス・ウィルソン、登場するロボットHANDBOTをデザインしたスティーブン・ニコラス(たぶん(汗))、そしてエイミーの特殊メイクを担当したニール・ゴードン(たしか・・・(苦笑))が登場しました。


右からトム・マクラエ、マーカス・ウィルソン、スティーブン・ニコラス、ニール・ゴードン・・たぶん(汗)

マーカスによるとカーディフはいつもドクターの撮影にとても協力的で、このエピソードでも、日中は公共に開放しているミレニアム・センターを撮影の為に朝4時から準備してくれたのだそうです。頑張ってるなぁ、カーディフの役人は!でもその成果として、世界中からこんなに大勢のドクター・ファンがカーディフを訪れてることになったんですよね!?

そしてステージにはHANDBOTが登場!やはりモンスターが出るとファンは大喜び。このロボットのデザインについて説明があり(ホンダのアシモ君をイメージしたそうです)中の人も顔を出して撮影した時の話をしてくれました。やっぱりこのコスチュームを着てしまうと、トイレにもいけないそうですよ。


こんなおネエさんがHANDBOTを演じていたんです

そしてこのエピソードでは特殊メイクをしたカレンが60歳のエイミーを演じていますが、やっぱり気になったのは年齢の割に綺麗すぎるエイミーの髪。その話題になると、本当は白髪とか年相応の髪にしたかったけれど、プロデューサー側(モファット?)からエイミーのシンボルであるオレンジのロングヘアは変えてはいけないと注文されたのだそうです。

すると質問タイムでも、そうしたプロデューサー・サイドとの軋轢はないのか脚本家のマクラエが聞かれていました。でもマーカスもマクラエもしっかり話し合いをしながら作っていくので大丈夫だと笑っていました。

と、こんな感じで地味ながら、ドクター・ファンにとってはとても興味深いトークでした。でもトークは地味だけど、トム・マクラエのファッションは派手でした(笑)


惑星アパラプチアにHANDBOT登場!
あのエピソードが撮影された場所をHANDBOTが歩いていると、さすがにビックリ

「サイルリアン」グループは午前中にこの2つのセッションを見て、そこからしばらく自由時間(?)なので他のイベントを覗いてみると・・・

SPECIAL EFFECTS STUDIO

「DOCTOR WHO CONFIDENTIAL」でおなじみのダニー・ハーグラビスがSFXについて教えてくれるプログラム。

パネルセッションの後に行ってみると、会場が小さくて入場制限があって入れず。最終回の整理券をもらって出直しでした。

会場は小さいけれど、中身はドラマで使っている特殊技術の実演とトークで楽しませてくれました。クリスマス・スペシャルではお約束の雪を会場に降らせてみせてくれたり、突然の爆発音にビックリすると、客席にバラバラとコンクリ片が飛んでくる!逃げるスタッフを機関銃で撃ったり(「同僚をこんな風に機関銃で撃てるなんて羨ましい仕事だろ?」とダニーは笑ってました)サイバーマンをレーザー銃で爆破させたりと盛りだくさん。


サイバーマン爆破!

そして実演だけでなく、ダニーが話し上手なので場内は笑いっぱなし。しかも観客との距離が近いので、
「気がついていた?『ドクター』では絶対に血が流れないんだよ?」とダニーが話せば
「そのかわりに『トーチウッド』で流しまくっているでしょ?」なんて突っ込みがはいっちゃう。


カメラを向けられるとマッチョ・ポーズを決める、おちゃめなサイバーマン

「トーチウッド」の2011年のシリーズ(「MIRACLE DAY」)では初めてアメリカの撮影スタッフ達と一緒に仕事して、
「アメリカのスタッフにどんな感じにするかと聞くと『ここはアメリカだ!何でもビッグに行こう!』って言われてね。『この爆発はどうする?』『アメリカだ!デカく行こう!』そればっかりだったよ(笑)でもヘリコプター(飛行機だったかな?)を爆破させるなんて初めてだったから楽しかったよ!」
なんて話に場内爆笑。そんな話を聞くと、「ドクター」ではアメリカのスタッフに絡んで欲しくないなぁ(苦笑)

「第1エピソードの『ROSE』の撮影では、カーディフの街中で動くマネキンなんがを撮影していた訳だよ(笑)そうしたら、通りがかりのサラリーマンに『何の撮影?』と聞かれて『ドクター・フーだよ』と答えたら、『はぁ?ドクター・フーなんて放送してないだろ!?』って笑われたんだよね、あの頃は!」
なんて、今では信じられないようなエピソードに皆大笑いでした。


黄レンジャー・ダーレク(笑)

そして質問タイムではまたしても子供の恐れを知らぬ質問が(笑)
「これまでに何人くらいの俳優を怪我させましたか?」
「(笑いをこらえながら)う〜ん、実はドクターを怪我させたことがあってね・・・いやいや、ツイッターに書き込まれる前にちゃんと言っておくよ。誰も怪我させたことはないよ!」
なんて切り返していました(血が飛び散るようなシーンでも血液が向かい合ってる俳優の方に飛ばないように仕掛けをつくるのだそうです。)

でもSFXの技術とCG技術の兼ね合いについて質問された時は「難しいね」と、ちょっと渋い顔をしつつも、お互い上手く補いながら良い関係で仕事してると答えていました。

そして最後には、ステージにいきなりダーレクとサイバーマンが登場!
「残りの時間は思う存分、彼らと記念写真をとってね」
なんてサービス満点なSFXチームでした。

でも、ダーレクそっちのけで子供達がサインをもらいにくる人気者のダニーでしたが、それにしてもCONFIDENTIALで見ていたよりもダニーのお腹周りは2倍ほど太かった・・・。