BBCドラマ「ロンドン・スパイ」のロケ地巡り in LONDON - part 3■AUG/2017

テムズ川の岸辺

8月のイギリスなのに、あまりの天気の良さにつられて、テムズ川南岸のサウスバンク(SOUTHBANK)へもフラフラと散歩へ出かけました。

Bank Holiday(イギリスの祝日)最終日だったこの日、サウスバンクではいろいろなイベントが催されていました。ナショナル・シアター(National Theatre)ではジャズ・バンドに合わせて大人達がダンス・パーティ、ロイヤル・フェスティバル・ホール(Royal Festival hall)ではDJに合わせて子供達がダンスしたり。そしてさらに小さな子供達は即席の噴水ではしゃいだり、川沿いに設置された砂場で遊んだり。大勢の人たちが飲んだり、踊ったりと、爽やかな晴天の下で夏の終わりを楽しんでいました。


ナショナル・シアター前ではダンス・パーティ!

ロイヤル・フェスティバル・ホールの売店でランチを食べて、空では警備のヘリコプターが飛び交っているけど、ともかくフェスティバル気分なテムズ川をのんびりと散策し、「さあ!そろそろホテルに戻ってチェック・インを済まし、夜のベン・ウィショーの舞台に備えなきゃね!」と、ブラックフライアーズ橋(Blackfriars Bridge)のバス停へと向かっていたところ、オッさんが水がひいたテムズ川の川岸で砂の彫刻を作り、「遠慮せずにバケツに1ポンド・コインを投げてくれ!」と集まった人たちに声を掛けていました。「へえ〜っ、海みたいにキレイな砂の川岸があるんだぁ」と、そのオッさんの彫刻を見ながら、ふと目線を上に移すと、「あれっ?この風景って・・・??」もしかしてここは「ロンドン・スパイ」第5シリーズで、ダニーがスコッティを想いながら涙を流したあの川辺かっ??(説明が長いな。)


このシーンの場所だと思うんだけど・・・/ London Spy 第5エピソード / BBC

慌ててiPodでそのシーンを再生してみると、うんうん、間違いない!ダニーが立つ砂浜の向こうにブラックフライアーズ橋、遠景にはセント・ポール寺院に、ウォーキー・トーキー(Walkie Talkie)やザ・シャード(THE SHARD)の高層ビル群!・・・ん?でも、この砂浜なら、ブラックフライアーズ橋の手前にある桟橋が写り込むはず・・・。

「この周辺にある別の川辺なのか?」と、橋のあたりを歩いてチェックしてみたけれど、この場面の風景に合う場所が無い。この砂浜なら遠景は(ほぼ)ピッタリなんだけどなぁ。でも、ドラマではダニーの後ろに写っていた緑の木々がここには無い・・・。まさか合成?別撮り?そんな面倒な事をわざわざ??


う〜ん、遠景はぴったりなんだけど・・・

むむむ、今回は時間切れ(&舞台に向けて体力温存)のために断念!


上の川岸のシーンと撮影場所が違うのか!? / London Spy 第5エピソード / BBC

帰国後に落ち着いてこのシーンを見直してみると、「むっ?これって、ナショナル・シアター前での風景じゃないの??」と思い出し、Google Mapで確認してみると、そうだ!この左手に見える地味な橋、対岸の建物、そして後ろに映る木々!まさしく、ナショナル・シアター前の風景!・・・でも、ここからブラックフライアーズ橋は見えないはず。あまりに遠すぎる。2ヶ所で撮影しているのか、はたまた上のシーンでは遠景を合成したのか。

という訳で、こちらも次回渡英時にしっかりチェックしてきます!

セナテ・ハウス(ロンドン大学)■SENATE HOUSE / THE UNIVERSITY OF LONDON


ロンドン大学のセナテ・ハウス

やや不完全燃焼気味な今回の「ロンドン・スパイ」ロケ地巡りですが、偶然通りかかったこんな場所もロケ地だった事を思い出して写真に撮影してきました。

イギリスでは、夏休みシーズンに多くの大学が学生寮を一般の宿泊施設として提供していますが、今回の旅行はちょうどそんなシーズンにあたり、旅費節約のためにもロンドン大学の寮に宿泊しました。

大英博物館から寮へ帰る途中、たまたま歩道から写真を取っている人がいて、「ああ、そういえばここはロンドン大学だ。なんでこのビルを撮影して・・・」と、ふと建物を見上げて、突然思い出したっ!そうだあーっ!!ここも『ロンドン・スパイ』の舞台じゃねえか!すっかり忘れてたぁ!

このあたりを通るたびに見ていたビルだったのにっ!この中の学食でランチした事もあったのにっ!だからドラマを観た時もすぐにどこのビルか分かったのにぃ!すっかり忘れてたよ。そうです!第3エピソードの中で、ダニーとスコッティがロンドン学長のクレアを訪ねたのが、このアールデコ調の高層ビル、ロンドン大学のセナテ・ハウスなのです!

早速この建物の写真を撮ろうとカメラを構えたものの、いやいや、ドラマに出てきた場所は入口に門灯があったはず。つまり反対側の入口か?!開いていたエントランスから通り抜けようと・・・おっと!このエントランスもダニーとスコッティが歩いていた場所だぞ!


London Spy /第3エピソード / BBC

正面側にまわると、うん、こちらがまさにロケ現場。ロンドン中心地でも有数のこの建物の高さに「うっ、全体がカメラに収まらない」と撮影に苦労し、それからまたエントランスに戻ってこちらも撮影。

大英博物館周辺のブルームスベリー地区(Bloomsbury)は、昔から文人が多く住んでいたというアカデミックな雰囲気と、レンガ造りの古い建物が立ち並ぶ落ち着いた空気感がある地区で、ロンドン大学もここに多くの建物があります。そんな中で、このコンクリートの外観の高層ビルは印象に残る独特な雰囲気を持っていますが、そのためなのか他にも多くの映画やドラマに登場しているそうです。ただし、各国のスパイ組織や政府機関のHQとして登場することが多いようで、確かにこのちょっと冷徹でゴツい雰囲気はピッタリかも。


London Spy /第3エピソード / BBC

そしてこのセナテ・ハウスもListed Buildingとして登録されています。こうやって「ロンドン・スパイ」巡りをしていると、このドラマはロンドン名所巡りなんだなぁとつくづく感じさせます。


このエントランスは良い雰囲気