BBCドラマ「ロンドン・スパイ」全エピソード徹底解説! Episode 2
ここからはネタバレ注意!!
Episode two
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アレックスの事件をセンセーショナルに書き立てる新聞。全ては嘘だとダニーは編集者達に訴えた。しかしマスコミと会った事をスコッティにたしなめられ、二人は口論となった。スコッティは自分の本当の姿すら分かっていないダニーに怒り、彼を公園に連れて行った。彼は若い頃、MI6のスパイだったが罠にはまり、ゲイである事を知られる前にこの公園で首を吊ろうとした事があったのだ。しかし自身に嘘をつき、アル中や鬱に苦しみながらも偽りの人生を送ってきたのだった。
ダニーの訴えも虚しく、今度は彼がマスコミの餌食となった。落ち込むダニーの元にアレックスの両親から手紙が届いた。死んだと聞かされていた彼の両親は田舎で静かに暮らしていた。裕福だが冷淡な父親と、何かに怯えながらも優しい母親。彼らはダニーが起こす騒ぎを望んでいなかったのだ。しかし全てが嘘だと見破ったダニー。そして彼はアリスターの母フランシスが待つ屋敷へと連れて行かれた。
アリスターを天才に育て上げたフランシスは冷たく高慢だった。彼女はダニーのラブ・ストーリーを否定した。アリスターは暗号を解くように人々の欲望を解読してそれに応じる。彼はダニーの理想の恋人を演じていただけだと。しかしアレックスがバージンだったと感じていたダニーは彼女の嘘を見破る。なぜ彼女が嘘をつくのか分からないダニーに「騒ぎを起こすな」とだけフランシスは告げた。
翌朝、ダニーは偽りの母親を演じていた使用人に会った。彼女からはアレックスへの愛情を感じたからだ。彼女も彼をアレックスと呼んでいた。アリスターの名前を嫌っていたのだとダニーに教えた。
ロンドンに戻ったダニーは謎のアメリカ人に突然話しかけられる。失う物など無いと思っている人は健康が財産だと気づいていないのだとダニーに忠告した。そして彼が置いていったキャンディの中には謎の錠剤が入っていた。
アレックスは組織に殺されたと確信するダニー。そんな相手には勝てないと説得するスコッティだったが、ダニーはアメリカ人から渡された名刺を破り捨てた。
と、ザ・ガーディアン紙が言うように、確かに評価は分かれたまま。
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泣きじゃくるベン・ウィショーを堪能できる第2エピソード・・・ではなく、アレックスの死の傷も癒えていないのに、次々と嘘がダニーの前に立ち塞がり、自分が知っているアレックスが否定されていく。誰も真実を信じない中で、二人の関係は真実だったと訴えるダニーが嘘を見破っていく。謎を増すスリリングなスパイ・サスペンスと、ダニーとアレックスのラブ・ストーリーが絡み合う第2エピソード。
でもザ・ガーディアンはこんな事を言うのです。
そこを疑うのか!?(苦笑)
アレックスの屋根裏部屋のストーリーを信じる者からすれば、ダニーは恋人の嘘が信じられないイタイ奴かも。なのに、アレックスに「最も無垢な人間」と言われたダニーを信じてしまう。そんなタイプの視聴者にはスリラーは不向き??
でも、彼らのラブ・ストーリーを信じてしまうからこそ、このエピソードの数々の美しいシーンに胸が締め付けられてしまうのです。アレックスにネクタイを締めてもらうダニーの幸福そうな笑顔、冷たく冴え冴えとした朝日の中で静かに隣の枕に触れるダニーの喪失感、そしてアレックスの名前の謎が解けた瞬間・・・。
はい、はい、成功してますよ(苦笑)
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そしてアレックスだけでなく、このエピソードではスコッティの姿が明らかになってきます。 ゲイであることに対して何の迷いもなく天真爛漫なダニーに比べ、同性愛が犯罪だった時代に自らを守るため嘘で固めた人生を送ってきたスコッティ。
そこまで疑う!?(汗)でも確かにスコッティは謎が多いですが・・・。
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そこまで推理するとは、さすが「シャーロック・ホームズ」やアガサ・クリスティを生み出した国だね。そんなお国柄ではこのドラマが叩かれて当然なのかも・・・。
そしてこのエピソードでは遂に英国俳優シャーロット・ランプリングがアレックスの母親として登場しました。
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モデルから女優となり、妖艶な美貌で70年代にはセックス・シンボル的存在となったランプリング。彼女の上半身裸にサスペンダー姿を見れば、「ああ!あの女優!」と思う方も多いはず。2000年代に入ってからはフランソワ・オゾン監督の作品に多数出演、また2015年に公開された映画「さざなみ(45years)」ではアカデミー主演女優賞にノミネートされました。
豪奢な屋敷の前でダニーを待っていたシャーロット・ランプリング。大女優の凛とした風格がまさにアリスターの母親にふさわしい。
「あなたを自慢げには歩かせないわ」vs「あんたは死んだと聞かされたのは嘘じゃなかったんだな」今回の勝負は引き分けだ。