DOCTOR WHOなつぶやき 過去ログ
イギリスのSFドラマ「ドクター・フー」の話題を拾った時につぶやいてます。
May_2016
今年のイギリスは、シェークスピア死後400年記念のイベントが盛りだくさん!そしてBBCのiPlayerもお祭り真っ最中!そんな中に、10thドクターことデヴィッド・テナント主演の「Richard Ⅱ」がUPされてます!
ロイヤル・シェークスピア・カンパニーによる舞台を、シアター・ライブとして映画館上映したこの作品。2013年の「ドクター・フー」50thアニバーサリーの時には、このポスターがロンドンのあちこちに貼られていました。
そして最近、同じリチャード2世をベン・ウィショーが演じたBBCドラマ「THE HOLLOW CROWN」を観まして、これが素晴らしいっ!!素晴らしい!・・・んですけど、シェークスピアのリチャード2世って、本当にこんなんなのか??と、素朴な疑問が。だからこのテナント版リチャードがちょうど観たかったんですよぉ!
これがデヴィッド・テナント演じるリチャード2世
こっちはベン・ウィショー演じるリチャード2世
10歳で即位した14世紀のイングランド王リチャード2世。シェークスピアの戯曲は彼の最後の2年を描き、簡単に説明すると、追放した従兄弟のボリングブロック(のちのヘンリー4世)の反乱にあって王位を奪われ、幽閉されたあげくに、最後にはボリングブロックへの忠誠心を示そうとした従兄弟のオマールor臣下に殺害されるという悲劇の王のお話(簡単すぎ?)
なのに、ここまで違う作品になるのかっ!?
中性的な美しさと、高貴さ漂うカリスマ性で、臣下をもメロメロにしちゃうベン演じるリチャード。そしてスラリとした肢体とエキセントリックさが美しき暴君といった趣のデヴィッド・テナントのリチャード。
ストレートに感情がぶつかり合うテナント版のリチャードは、国民にも臣下にも裏切られたことを知って怒り狂い、ボリングブロックに憎しみをぶつける。でもベン・ウィショー版では、当然と思っていた「国王」というアイデンティティを突然失い、必死に尊厳を保とうとしながらも自分の運命を嘆き悲しむリチャード、そして敬愛していた王のそんな姿に心打ちひしがれるボリングブロック、その二人の愛憎がたまらないっ。
同じストーリー、同じセリフで、こんなに異なる解釈ができてしまう。シェークスピアって懐深い。
個人的な好みは、鼻水垂らしてピーピー泣いてるベン版リチャードなんですけどね(苦笑)臣下たちの前で王位を渡すくだりの美しさ、緊張感、ベン・ウィショーの演技の素晴らしさ、すべてが完璧っ!
でも、テナント版リチャードも、舞台ならではの臨場感が素晴らしい。なので笑えるセリフには観客爆笑。でもテナントが「『ドクター』によれば、今月は血を流してはいけない」なんて言えば観客大歓声!!しかも舞台上の共演者まで拍手してるよ!!ロイヤル・シェークスピア・カンパニーでそんな楽屋落ち、アリ!?
どちらのリチャードが好きかは別れるところでしょうが、以前、マット・スミスが「ドクターを演じるのはハムレットを演じるようなもの。ハムレットという確固たるキャラクターが既にあり、でも自分ならではのハムレットを演じなければならないから」と語っていました。この機会にシェークスピアのこんな見比べもいかが?ちなみにベン・ウィショーの「The Hollow Crown」は(確か)Huluで観られます。
そして、シアター・ライブつながりでおまけ情報。
そのベン・ウィショーは、現在ブロードウェイで「Arthur Miller's The Crucible」に出演中ですが(こちらで観劇レポを書いてます→)この舞台の演出家イヴォ・ヴァン・ホーヴェによる2014年の作品「A View From The Bridge(邦題:橋からの眺め)」がナショナル・シアター・ライブでリバイバル上映されます。
(イギリスのオフィシャル・サイトはこちらから→)
何しろ同じ演出家で、同じアーサー・ミラーの作品。なので、ベンの舞台のレビューでも何かと比較されていて、しかも「A View Fromと比べちゃうと・・・」なんて書かれたりすると、「おうおうっ!なんじゃい!そっちはそんなにスゲエのかよっ!?」と、言いたくもなる。でも、ベン本人もこの舞台に感銘を受け、今回の舞台の仕事を引き受けたと語っている訳で、そっ、そんなにスゲエなら観てみようじゃないの!と、とっても観たくてしょうがないのですが・・・インターナショナル上映は9月からだけど、名古屋で上映するのかなぁ。ドキドキ。
で、おまけ話。
5月にイギリスに遊びに行ってきました。「London Spy」の撮影場所を探したり、ライブを観たりの一週間。そしてこんなお土産を買ってきました。
まずは「Forbidden Planet」にて、そろそろ売り切れそうなので10thドクターのビニール人形と、ようやく買ったぜ!のパープル・コート姿の11thドクターの5インチ・フィギュア!ついでのシャーロックのミニ・ビニール人形は、意外と特徴を捉えていて笑えます(このあたりのフィギュアについては、グッズコーナーで近いうちにまとめます。)
そしてナショナル・シアターのショップでは、可愛くて思わず買ってしまったリサイクル・ウールのラグと、可愛くて迷わず買ってしまったベン・ウィショーの舞台の本(笑)2008年に上演した映像・演劇・音楽のマルチメディア舞台を、本として編集したものですが、ラグより高いんだよ(苦笑)
そしてピーター・カパルディのポスト・カードは、ナショナル・ポートレート・ギャラリーで購入。
イギリス人のポートレートばかりを集めた美術館、ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーは、昔の作品ばかりでなく英国の俳優やミュージシャン、著名人などの写真や肖像画も数多く所蔵していますが、これらの作品をデジタル・プリントで購入できるって知ってました?
なので出発前にギャラリーのオフィシャル・サイトをチェックすると、おおっ!ベン・ウィショーとピーター・カパルディがあるぞっ!早速、ロンドンに到着後、ギャラリーのショップを訪れ、店頭の端末から注文しようとしたら・・・あれ?ベンが出てこない?ピーターも若い頃のポートレートはあるけど、このポストカードの写真がないぞ?
23才でハムレットを演じた時のプリンスなベン。これが買いたかったのよ。早く著作権をゲットしてぇ!© Derry Moore/NPGのサイトから拝借
そこでショップの店員に問い合わせると、まだギャラリーが著作権を持っていないなどの理由で、一部の作品は販売できないんだそうです。
そんな訳でベンとピーターの作品が購入できずガッカリ・・・(ちなみにショップのサイトで検索して「Buy」のボタンがあれば購入できる作品だそうです。)
で、余談ですが、このショップの店員さん、「”ウィショー”って、どういう綴り?」と日本人の私に聞いてくるくせに、「この作品も買いたいんだけど・・・」とピーターのポストカードを見せると、「う〜ん、それも厳しいかもね〜」と、こちらが名前を言わなくてもあっさり「Peter Capaldi」と打ち込んでました(笑)さすがドクター!
残念ながらマット・スミスはありませんが、日本から通販も可能なので、興味のある方はギャラリーのオフィシャル・サイトをぜひ覗いてみて(こちらからどうぞ→)ラッセル・T・デイヴィスのポートレイトはあるのになぁ(苦笑)
BBCの壁にはやっぱりドクター!
そしてロンドンのBBC Broadcasting HouseにあるBBC SHOPにも行ってきました。でも駅の売店並みにショボくてガッカリ・・・。20年前に訪れた時は、地下のショップに、ビデオや本、ドラマのロゴが入ったグッズなどがぎっちりと並べられて、見ていても楽しかったのに。今では申し訳程度にDVDやBBCロゴのグッズが置かれているだけ。店員もめちゃヒマそうでした。しかもショップがあるカフェに入るのには空港並みのセキュリティ・チェックを受けなきゃならず、ご時世とはいえ物々しい雰囲気。
と、言っても、壁にはデカデカとドクターの写真っ!!セキュリティのオッさんの隣にはダーレク!(お約束の「触るとExterminateするよ」の注意書きも!)そしてカフェにはターディス!と、それだけでもドクター・ファンなら訪れて楽しいかも。そして何よりカフェからは、あのBBCのニュースに登場するブロードキャスティング・ルームが一望できるのですっ!これは知らなかったので、窓から覗いてビックリ!かなり興奮しました。そりゃあセキュリティが厳しい訳だよ。
地下鉄Oxford Circus駅から北に少し歩いたところにありますので、イギリス好きなら是非一度覗いてみてっ!
そして9月日本公開のマット・スミス出演「高慢と偏見とゾンビ(Pride and Prejudice and Zonbies)」を、一足お先に飛行機の中で観てきましたっ!
・・・う〜ん、ごめんなさい。面白さがわからなかった・・・。
なぜ「高慢と偏見」とゾンビが合体しなきゃいけないのか、そもそも理解できない・・・。「高慢と偏見」をちゃんと読んだ方には、エリザベスとダーシーの格闘シーンなんて、きっと笑えるんだろうけど。BBCの映画紹介番組で男性評論家が「僕はゲイだから分からないけど、これが『ガールズ・パワー』ってモンなのかな?」と言っていましたが、ま、確かにリリー・ジェームズたち美人がブンブン戦う様はカッコいいんですけどね。
えっ?マットですか?ほとんどドクターでした(笑)笑わせてくれるのでご心配なくっ!
最後に、ベン・ウィショーがBAFTA主演男優賞にノミネートされたBBCドラマ「London Spy」が、遂に日本でもNetflixで観られるようになりましたっ!!でもマット・スミスの「The Crown」は9月から配信(US? UK?)らしいので、秋の夜長に是非とも「London Spy」も一緒にご鑑賞ください・・・って、まだ夏も始まってないぞ(苦笑)